自然共生・生物多様性
考え方
ジェイテクトグループの事業活動は、原材料や水など自然界から受ける多くの恩恵によって成り立っています。こうした中、地球の生態系や人の健康に悪影響をおよぼす環境負荷物質については、企業の責任として使用・排出規制が強化されています。自然資本の損失や生物多様性の減少が地球規模の課題となる中、企業には事業活動が自然環境に与える影響を正しく認識し、その低減と回復に主体的に取り組むことが求められています。
また、自然破壊の拡大に伴い、生物の生息・生育地の縮小や生物多様性の損失が進行していることを踏まえ、当社は「生物多様性の保全」を重要な社会的課題の一つと位置付けています。2011年3月に策定した「生物多様性保全行動指針」に基づき、各事業所・工場において地域の自然環境や特性を考慮した取組みを推進し、自然生息地の保全や環境教育などを通じて、生物多様性に配慮した活動の輪を広げています。今後も、自然との共生を目指した事業活動を推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
生物多様性保全行動方針
ジェイテクトでは、事業活動による環境負荷を低減し、生物多様性に配慮するために、2011年3月「生物多様性保全行動指針」を策定し環境活動を推進しています。
生物多様性保全行動指針


推進体制
自然と共生する取組みは、各工場ごとに環境専門部会の生産環境改善部会に所属する担当部署が中心となって進めています。
推進体制の詳細は 環境に関わる取組みの全体像 をご参照ください。
ビジョン/戦略
ジェイテクトの生物多様性保全活動は「各工場に生息、生育する希少な生き物の保全」、各工場を取り巻く「地域の自然環境の整備」、継続的に生物多様性保全を図るための「環境人財の育成」という3つの取組みを柱として進めています。各工場における希少な生き物の保全や外来生物駆除にあたっては、専門家や学識経験者の意見を踏まえた、客観的な評価に基づき取り組んでいます。
また、水資源は今後世界的な不足も懸念されることから、企業が水資源の有効活用に取組むことの重要性が高まっています。ジェイテクトでは、生産現場における改善と工夫により、節水や水の再利用等の様々な取組みを進めています。

リスク管理
事業活動における生物多様性のリスクと懸念
ジェイテクトの事業活動と自然資本は相互に影響を受けています。原材料調達から始まる事業活動のライフサイクルにおける、水やエネルギー等の資源の使用、大気や水域への排出等を生物多様性へのリスクとして捉えています。
また、車両等の環境性能向上に繋がる製品の提供によるCO2排出量の低減、森林保全活動による水源涵養機能の維持、それによる事業場立地場所の水害リスクの低減等を生物多様性への機会として捉えています。
生物多様性リスク・インパクト評価
ジェイテクトグループの全拠点、及び日本の主要仕入先40社(調達金額比率70%に相当)の拠点を対象に、WWF生物多様性リスクフィルター(BRF)※ を使用して生物多様性への圧力評価を実施し、44%の拠点がリスクが高い(5段階評価中4.5以上)と評価されました。
仕入先様とは、サステナビリティガイドラインやグリーン調達ガイドラインを通じて、当社の主旨および事業活動に関わる環境の取組みの重要性をご理解いただき、環境負荷低減の為の活動を推進いただいています。
今後も私たちの事業活動が大気・水域への排出や土壌汚染による生物多様性への影響を与えないよう最大限の活動を推進してまいります。
※WWF生物多様性リスクフィルター(BRF):World Wide Fund for Nature(世界自然保護基金)が公開している生物多様性に関連したリスクツール
水リスク評価
ジェイテクトは、水使用量原単位の改善による水資源の有効利用に加え、2017年から事業所毎の水リスクをAqueduct※を用いて評価しています。
今後、水使用量削減の取組みにあたっては、将来予測も含めた水リスク評価結果や事業所毎の水使用量や水依存度に応じた取組みを行い、水資源の有効利用に取り組んでまいります。
※Aqueduct
世界資源研究所(WRI)が運営するデータベース。「物理的な水ストレス」、「水の質」、「水資源に関する法規制リスク」、「レピュテーションリスク」などの水リスクを示した世界地図・情報を提供
<水リスクマップ※>

※集計対象:グローバル環境マネジメント対象会社(ジェイテクト単独13拠点、国内グループ16社、海外グループ28社)
水リスク地域の特定
水リスクはAqueductおよびWWF Water Risk Filter※を用いて、当社の事業に直接影響を与える「水ストレス」および「水枯渇」の項目でリスクが「きわめて高い」と評価された拠点を水ストレス地域と評価している他、洪水、干ばつ、規制・評判の要因や、将来の水リスクとして、2030年時点での水ストレス要因も考慮しています。
定期的な水リスク評価の結果、ジェイテクトグループの全生産拠点の中で、水ストレスが高いと評価された地域は、インド地域とメキシコ地域でした。
※WWF Water Risk Filter:世界自然保護基金(WWF)が開発した水リスクを評価するためのオンラインツール。「物理的な水リスク」、「水の質」、「水資源に関する法規制リスク」、「レピュテーションリスク」などの水リスクを示した世界地図・情報を提供
指標と目標
2025年環境行動計画/2025年度活動実績
| 区分 | 取組み項目 | 目標・取組み方針 | 2025年度活動実績 | ||||||||||||||
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| 資源の 有効利用 |
(3)生産における水使用量の削減 | ①再利用の推進、節水、ムダの削減 ②水リスク評価に基づく、高リスク事業所の水削減強化、 水管理レベルの向上
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| 生物多様性の保全 | (2)生物多様性への取り組み | ①「生物多様性保全行動指針」に基づく環境活動の推進 ②ジェイテクトグループで「地域とつなぐ生物多様性保全活動」の推進 ジェイテクトグループ全体で2025年度までに活動参加者数を3,000人以上とする。 |
①子供向け環境教育の開催、各自治体主催の活動への参画 ②2025年度生物多様性活動実績 ジェイテクトグループ全体で5,880人 |
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水使用量の削減
<生産における水使用量の削減>
水の有効利用を促進
ジェイテクトでは、大切な資源である水使用量を削減するため、無駄の削減や社内での再生利用などにより水使用量の削減を進めています。2025年度は、2018年度比7.0%以上の削減を目標として、洗浄液や冷却水の長寿命化を主とした使用量削減を進めました。
水使用量推移

水使用量原単位推移

水再生利用推移(単独)

<水ストレス地域の取組みと状況>
水ストレス地域であるインドでは水質が悪いため、RO膜(逆浸透膜)装置を導入し、水質を改善したうえで生産工程に供給しています。また、メキシコでは洗浄や灌漑など屋外で使用するための水を貯留する雨水貯留槽を設置し、取水量を削減しています。
水ストレス地域における水使用量の推移は以下グラフの通りです。
2025年度におけるストレス地域での水使用量は、インド:163千m3、メキシコ:22千m3となっており、当該地域については、地域ごとに水使用量の特別目標を設定しており、水の循環利用やクーラントの再生利用などの対策を進めています。
水ストレス地域全体の水使用量は微減、水使用量原単位は改善しており、これまでの削減活動の効果によるものと考えています。
インド

メキシコ

具体的な取組み
水セキュリティ
<逆浸透圧処理による水管理の改善(メキシコ:JAMX)>
JAMXでは、水質管理を改善し、持続的に水を利用するため、逆浸透圧水処理システムを導入しました。このシステムでは生産ラインで使用される前に、沈殿濾過・活性炭による濾過・軟水化・逆浸透圧による浄化を行います。熱処理プロセスや産業洗浄装置に供給される水質を改善することで、プロセス水の補充頻度を減らし、プラント運転における水消費効率を向上させました。今後も生産プロセスでの水消費量を減らす活動を推進してまいります。

生物多様性の保全
<保全マップと各地域の取組み>
ジェイテクトグループは、国内から海外まで世界中に事業場が広がっています。それぞれの事業場で地域と連携しながら活動を進め、その活動をつなげることで、点を面に生物多様性の活動を広げていけるよう、各事業場が活動テーマを定め、継続的に活動しています。 今後も活動の輪を広めるべく、推進してまいります。
海外

国内


<在来種の保護活動(南米)>
ジェイテクトブラジル(JBR)では、ブラジル固有種であるジャタイミツバチ(無刺蜂)を保護するため、工場敷地内に専用の保護エリアを設置しました。本活動は、自然環境の維持に欠かせない存在でありながら、人間活動の影響によって生息数が減少している在来種の保全を目的とし、種の保護活動と環境教育を組み合わせることで、環境課題への貢献を目指しています。
現在、生息地の減少、農薬使用の拡大、森林伐採、さらには気候変動などの影響により、ジャタイミツバチの個体数が急速に減少しています。ブラジルには多様なミツバチが生息していますが、正しい知識が十分に浸透していないことから、刺を持たない無害な種であっても、誤解や不安によって巣が破壊されてしまうケースがあります。
そのため、JBRでは従業員や地域社会に向けた環境教育にも力を入れ、ジャタイミツバチの保護が生物多様性の維持にどのように役立つのかを発信しています。今後も地域社会と自然環境との共生を大切にしながら、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。

<河川清掃・希少生物観察会・外来種駆除>
徳島工場では地域の自然環境と共生する取組みとして、7月に「とくしま自然観察の会」との共催で、吉野川河口付近にて河川一斉清掃を実施しました。当日は、従業員とその家族、グループ会社を含む56名が参加し、観察の会の皆様と合わせて約80名による活動となりました。
炎天下の中、流木の除去やごみ拾い、特定外来生物であるナルトサワギクの駆除を行ったほか、河口干潟に生息する希少生物シオマネキの観察を通じて、生物多様性への理解を深めました。今後も、シオマネキやトビハゼ等の生き物が暮らしやすい環境づくりを目指し、地域と連携した自然共生活動を継続してまいります。

イニシアチブの参画
<『経団連生物多様性宣言イニシアチブ』への賛同>
ジェイテクトでは、2021年12月に『経団連生物多様性宣言イニシアチブ』への賛同を表明しました。
この取組みは、生物多様性条約締約国会議(COP)等における日本経済界の発言力向上を目指すものです。
今後は賛同企業・団体と連携を図りながら、取組みに協力してまいります。

<環境省「生物多様性のための30by30アライアンス」参加>
ジェイテクトは、「生物多様性のための30by30アライアンス」に2022年4月の創設時より参加しています。 この取組みは2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向け、自国の陸域・海域の少なくとも30%を保全・保護すること(30by30(サーティ・バイ・サーティ))の達成を目指すものです。 今後も参加する行政・企業・団体等と連携を図りながら、目標達成に向けた取組みへ積極的に参加してまいります。
<オールトヨタ グリーンウェーブプロジェクト>
ジェイテクトは、生物多様性の保全活動にトヨタグループ各社と連携して取り組む「オールトヨタ グリーンウェーブプロジェクト」に参画しており、ジェイテクト田戸岬工場における「コアジサシ営巣地保全取組み」は、グリーンウェーブプロジェクトを通じて、同じく衣浦地区に工場をもつトヨタグループ3社(株式会社豊田自動織機、トヨタ自動車株式会社、株式会社アイシン)との"つなぐ"活動に発展しました。
今後も「衣浦湾 コアジサシ保全プロジェクト」が全国のコアジサシ保全モデルになれるよう一層取組みを拡大していきます。

グリーンウェーブプロジェクトの活動ロゴ